活性酸素はどこから来る?体内外からの7つの発生源とその対策

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活性酸素の発生メカニズム

野村宏

活性酸素がどんな時に発生するか全般的に知っておかないと対策に穴があきます。

活性酸素の発生原因を減らすのも、重要な活性酸素対策ですので、まずその発生原因を全般的に知っておいて、もれのない対策をしないと、欠陥のある対策になってしまいます。

1.ミトコンドリアの中で、酸素からエネルギーを取り出す際に発生する

私たち酸素からエネルギーを得る生き物は、細胞の中のミトコンドリアの中で、酸素が電子を4段階で吸収し、その流れでエネルギーを生み出し、かつ酸素が水まで還元されます。

というとむずかしく感じますが、下の流れをみてください。

なんと、酸素が水になるまでに、3種類もの活性酸素が発生しているんです。酸素で生きている生物は、常にこの活性酸素にさらされて生きているんです。特に、この中で、活性酸素3ヒドロキシルラジカルは、けた違いに酸化力が強く、細胞を傷つける力が強い危険な活性酸素です。

こんなものが常時、私たちの体内で発生しているんですね。改めて活性酸素に対する対策が重要だと実感します。ただ、この発生原因は減らすことはできません。呼吸により自動的に発生するからです。

対策としては、以下の二つしかないでしょう。

  1. 過剰に発生したときに、抗酸化物質で消すこと
  2. 私が推奨している、水自体に活性酸素の酸化力に対する防御機能を持たせること

の2つしかないでしょう。

2.水分子が紫外線や放射線で破壊されると発生する

水分子→活性酸素

私たちの体の、どこにでもある水が紫外線や放射線を浴びて破壊されると、強力な細胞破壊力を持つ活性酸素になってしまうんです。ことに、放射線は私たちの体内まで貫通しますので、避けようがありません。

このことは科学的には明らかな事実なのに、この事実と、それに対する対策が、今、ほとんど語られていません。重要性が理解できないのでしょうか?それとも、この事実を知らないのでしょうか?

ただ、たとえほとんど語られなくても、私たちが健康で長く生きるためには、この事実に対し有効な対策を講じなければならないことは変わりません。

3.炎症があると、そこには活性酸素が発生しています

炎症は、細菌やウィルスが体内に侵入したとき、それを撃退するため、白血球の中の好中球などが活性酸素を作り出し、細菌やウィルスを攻撃した際、いわば副産物として起こってしまいます。

細菌やウィルスを退治するためにどうしても必要な反応ですが、細菌やウィルスのまわりにある健康な細胞も同時に攻撃し、炎症を起こし傷つけてしまうのです。これも少しづつですが、老化の蓄積につながります。

炎症の発生をできるだけ減らすような水際対策が必要でしょう。

4.ストレスが活性酸素を発生させる

ストレスが活性酸素を発生させる、ということは今では多くの人が知っています。動物実験でも、ラットに光や臭いなどで心理的苦痛を与えて、活性酸素・OHが増加するかの実験がなされ、確かに増加することを証明した実験が日本でなされました。

ストレスの原因はさまざまで、暑さ・寒さ・騒音や過重労働、職場の人間関係、家庭不和、恐怖など、非常に幅広いものがあります。これほどさまざまな種類があるストレスが同じように体内で活性酸素を増加させるというのは不思議な感じがします。

でも、動物実験の結果は、体を水に浸けるなど肉体的ストレスを与える実験でも、臭いをかがせるなど心理的ストレスを与える実験でも、同じように活性酸素が増加することを示しています。

活性酸素が、生命にとって必要なものなのに、同時に非常に危険なものであり、常に微妙なコントロールがなされているものだということを考えると、さまざまなストレスがこの微妙なコントロールを狂わせ、活性酸素の増加に向かわせるという結果になっているのでしょう。

私たちは、いつもなにがしかのストレスにさらされています。ストレスをできるだけ減らそうという努力も重要ですが、ストレスは避けられない面もあるので、発生した活性酸素を消す、そして、このサイトでお勧めしている、活性酸素の酸化力から細胞を守る、という対策を常にすべきです。

5.タバコの発がん性は、発ガン物質だけではなく活性酸素も大量発生させる

タバコ=肺ガンのイメージは多くの人が持っており、常識化しています。しかし、タバコの何がガンを作るのかは、いまだに全部が明らかになっていません。

タバコには、ベンツピレン・ニトロソ化合物など数十種の発ガン物質が含まれており、これらが発ガンに関係しているのは間違いないと思われるのですが、これらの発ガン物質は、実験的にガンを発生させられる量よりはるかに少ないのです。

例えば、マウスの実験で石炭タールをマウスに塗り続けるとガンが発生します。この場合、タールに含まれるベンツピレンの量は12,500mg/kgあります。

これに対しタバコタールに含まれるベンツピレンは1.3mg/kgなのです。約1万分の1の濃度です。実際、タバコのタールをマウスに塗り続けてもなかなかガンは発生しません。しかし、現実にタバコ愛好者の肺ガンは、統計的に明らかに多い。

そこで、タバコで活性酸素が増加するのが原因ではないかと考えられ、タバコの煙を特殊な液体に溶かし、活性酸素の量を計ると、非常に多くの過酸化水素が発生していることが分かりました。

過酸化水素は活性酸素のひとつですが、酸化力はあまり強くありません。ただ、細胞への浸透力は強いので、細胞の中で、酸化力が非常に強く、細胞を破壊する力が強い最強の活性酸素・OH(ヒドロキシルラジカル)に変化するのです。ベンツピレンでガン化のきっかけが作られた細胞を本物のガンに育てるのが活性酸素とみるのが実態のようです。

6.発がん物質により発生する

ある特定の職業に特定のガンが多い。「これはなぜだろう?」という研究の結果から、いろいろな物質に発ガン性があることが分かりました。

例えば

  1. アスベスト建物解体作業員
  2. ヒ素農薬散布者、化学工場労働者
  3. タール道路工事作業員

などにガンが多発した結果、発ガン物質とわかりました。

これらの物質がガンを発生させるメカニズムとしては、これらの物質がDNAと結合してしまい、異常なDNAになってしまう、ということのほか、発ガン物質は体内で活性酸素の一種であるフリーラジカルを発生させるのに、化学的に似た物質でも発ガン性がないものは、フリーラジカルを発生させない、という違いがあるため、やはり、発ガン物質から発生する活性酸素による酸化力が要因の一つになっていると考えられています。

7.塩・脂肪のとりすぎにより発生する

塩や脂肪なんて食品に当たり前に入っているものが活性酸素の発生原因なんて、ちょっとショッキングですね。これらが活性酸素の発生原因になることは、日本や米国でのガンの発生率という統計的なデータから分かってきました。

20世紀の始め、アメリカでは胃ガンがガン死亡率の第一位でした。それがその後、約50年で急激に減り、ガン死亡率ではもっとも少ないほうになりました。この50年で、食生活で大きく変化したものは「食塩の使用量」です。

この変化は、もうおわかりでしょうが、冷蔵庫の普及と同じ時期に起こっています。それまでは、食物の保存法として塩が非常に多く使われていたのに、冷蔵庫が普及することで塩の使用量を大幅に減らすことができたのです。

似たようなことが日本でも起こりました。日本では戦後すぐはガン死亡率の中で、胃ガンがダントツの一位だったのですが、冷蔵庫の普及とともに徐々に減り、ついに1990年代に肺ガンに一位の座を譲りました。

塩は過剰にとると体内で炎症を起こします。この記事でも述べましたが、体内に炎症があると、そこには活性酸素が発生します。化学的に直接に活性酸素を発生させるのではない塩の消費量とガンの発生率が連動するのは、この炎症発生が介在しているようです。

脂肪

脂肪とガンの関係がハッキリわかるのは、日本における戦後の食生活の変化による脂肪摂取量の増加と、乳ガン・大腸ガン・前立腺ガンなどの欧米に多いガンの増加が、きれいに相関していることです。

日本人の脂肪の一日あたり平均摂取量は、1960年には24.7gだったものが1990年には81.2gと3倍以上に大幅に増えています。この時期に、胃ガンは減っているのに、乳ガン・大腸ガン・前立腺ガンは増えているのです。

脂肪の中で、食物中の不飽和脂肪酸という脂肪は、活性酸素に酸化され過酸化脂質になります。この過酸化脂質は活性酸素の一種とされ、体内でさまざまな物質を酸化し続けます。

ごく微量しか摂取しない発ガン物質にくらべ、脂肪は食事から毎日大量に摂取し続けます。この大量の脂肪から活性酸素が生まれるのですから、その摂取量が変化すれば、ガンの発生率が変化するのも不思議ではありません。

活性酸素の発生に対する究極の対策とは?

私たちの体内で活性酸素を発生させる原因はこれほど多様なものがあります。そして、その害を減らすためには、さまざまな手を打っていく必要があります。

主なものとしては

①活性酸素の発生原因を減らす
  1. 紫外線と放射線をできるだけ避ける
  2. 炎症をできるだけ発生させないようにする
  3. ストレスを減らす
  4. タバコを吸わない・副流煙を避ける
  5. 発ガン物質を避ける
  6. 塩や脂肪をとりすぎない
②活性酸素を消す抗酸化物質をとる
③活性酸素の酸化力を抑える

私がこのブログで推奨している、抗酸化物質がなにも溶けていないのに、紫外線照射をしても活性酸素の発生が少ない水(BI活性水)の機能を、体内の水に持たせればこれが可能になるのです。

 

野村宏

BI活性水に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。

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