介護現場ではヘルパーの人材不足で外国人が頼みの綱
介護の現場は、介護を受ける方と介護する側との会話がとっても大事です。ですから、介護する福祉士やヘルパーもこの点で、日本人の方がベストなのは当然です。
他方、介護の現場は、介護する側の人手が絶対に必要で、この人手が今日本の現場では、日本人の介護ヘルパーのなり手が圧倒的に不足しています。
そういうわけで「日本語が一定レベル話せる外国人ヘルパーに頼るしかない」というのが日本の介護の実情なのです。
現状の外国人介護ヘルパーはベトナム人やフィリピン人が中心
現状、日本の介護で不足しているヘルパーを供給しているのは、人材供給態勢が比較的整っていたベトナムやフィリピンが中心です。
しかし、最近問題になっているのが、彼らのトラブル率の高さです。トラブルとしては、ヘルパーの職場からの失踪、職場でのケンカ、備品の行方不明などが多く報告され、介護施設の管理者の悩みのタネになっています。
また、彼らが日本にくるための就労VISAを取ったり、求人先を紹介してもらうために借金をして多額の手数料を現地の業者に支払い、多額の借金を背負っていることも問題でした。
多額の借金があってその返済に困ると、どうしても金のためなら何でもやる、という行動に出やすいからです。
優秀な介護ヘルパーを大量に供給できるインドネシアのキャパシティ
インドネシアには優秀な介護ヘルパーを大量に供給するキャパシティがあります。
介護ヘルパーにインドネシア人が有力な理由「その一」
インドネシアは2億7000万人の人口を持ち、さらに、70万人以上という世界第2位の日本語学習者がいます。(1位は中国の105万人)
人口比でいえば、日本語学習者の数が70万人以上というのは圧倒的1位です。ちなみにアメリカ・ベトナムが16万人代、フィリピンは4万人代です。
この膨大な日本語学習者の基盤があるため、日本語を話せる介護ヘルパーも大量に供給できるのです。
介護ヘルパーにインドネシア人が有力な理由「その二」
インドネシアは世界有数の親日国で、日本で仕事をしたい希望者が多いんです。
インドネシア人は350年にわたりオランダに奴隷として支配され続けました。オランダの弾圧は厳しく、道ばたで3人が会話していれば反逆の相談として逮捕されるという時代が長く続きました。
日本は、このオランダを駆逐し、インドネシア人の自治を導入し、日本の敗戦後は、再度支配をもくろみ侵略してくるオランダ軍に対し、日本が訓練したインドネシア人義勇軍と残留日本兵がオランダ軍を撃退し、独立を勝ち取った歴史があります。オランダ軍には、インドネシア人は今まで猫だったのに、日本に訓練されて虎になっていた、という言葉が残っているほどです。
これが、インドネシアが世界有数の親日国である理由です。日本で仕事をしたいインドネシア人が多い理由でもあります。
介護ヘルパーにインドネシア人が有力な理由「その三」
日本ではイスラム教に対する片寄った報道が多く誤解が多く、インドネシアは2億3000万人という世界最大のイスラム教徒を持っています。
インドネシアイスラム教は他宗教に寛容であり、現に国内にはヒンズー教・キリスト教・仏教などが共存しています。また、インドネシアのイスラム教徒は子供のころから喜捨の精神を教えられ、国内各地を回れば、貧しい人に施しをする姿をいくらでも見かけます。
それなのに、日本ではイスラム過激派の報道ばかりが多く、イスラム教徒といえば過激派と誤解している人も多いのが困ったことです。
世界には、現在20億人ものイスラム教徒がいます。その中に少数の過激派がいるからといって、20億人の大半が、寛容と喜捨を旨としていることを知らないのはマスコミの怠慢です。
介護ヘルパーにインドネシア人が有力な理由「その四」
イスラム教徒といえば「お祈り」「豚肉忌避」「飲酒忌避」でしょう。しかし、インドネシアイスラム教徒は、お祈りも豚肉忌避も仕事と調整しながら実施します。
このうち「飲酒忌避」は問題ないでしょう。別に他人が飲酒するのをいやがるわけでもないので。
「お祈り」は、厳格に1日5回お祈りする人は現地でもあまりおらず、とくに外国で仕事をする際は、仕事の妨げにならないよう、時間と場所を選んで行いますので、問題にはなりません。
「豚肉忌避」は、食事と調理器具を分けてくださいとお願いがあるでしょうが、となりで豚肉を食べていても、彼らが食べなければよいので大きな問題にはならないでしょう。
喜捨と寛容の精神を持ち、日本語習得に熱心で、親日的な若者が多いインドネシアはこれからの介護ヘルパーの最高の供給源と言えるのです。